訪問看護に関わる看護師はベテランというイメージが強いが、実際には新卒や、第二新卒で訪問看護の看護師となる人も多くいる。また何年かのブランクを経て看護師として再就職を目指す際に訪問看護師の道を選択する人もいる。
在宅療養を希望する利用者に看護を提供し、ニーズに答えるのが訪問看護師の役割だ。訪問看護では、利用者の自宅で直接相談にのったり、医師の指示による医療処置を行ったりする。必要とされる主要手技は吸引や摘便、静脈注射、導尿などである。対象者は子どもから高齢者と幅が広い。一日に3~4件の訪問を行うことが多く、利用者とのアポイントの時間が決まっているため、限られた時間を意識しながら業務をこなすことが重要になってくる。
また利用者と正面から「向きあう」看護は訪問看護の大きな特徴だ。病棟の看護師の多くは、大きなモニターと患者の様子を比較しながら、対応を行っている。訪問看護で向きあうのはモニターではなく、利用者やその家族だ。利用者自身が「生きようとする」気持ちによりそって、その心についてもしっかりとサポートをできるのは訪問看護の看護師として働く大きなやりがいといえる。高齢者の増加に伴い訪問看護の需要は高まり、女性が働きやすい職場として魅力も大きい。訪問看護では土日祝を休日としている場合もある。また訪問時間が決まっているために残業が発生しにくいという特徴がある。このように訪問看護では子育て中の女性や、長年のブランクがある人でも挑戦しやすい条件が整っている。